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物流の2026年問題とは?対象・期限と今すぐ取り組む対策

公開日更新日著者株式会社イクソル
物流の2026年問題とは?対象・期限と今すぐ取り組む対策

「物流の2024年問題には対応したはずなのに、今度は2026年問題と聞いて何をすべきか分からない」「自社は特定事業者に該当するのか」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。

物流の2026年問題は、2026年4月に全面施行された改正物流効率化法への対応を中心とする課題です。一定規模以上の荷主・連鎖化事業者・物流事業者には、中長期計画や定期報告などが義務化されました。一方、規模基準に届かない事業者も無関係ではなく、2025年4月から物流効率化に向けた取り組みが努力義務となっています。

本記事では、2024年問題との違い、対象者、2026年8月時点で確認すべき期限・罰則、現場で進める7項目を整理します。制度対応と日常業務を切り離さず、どのデータを整え、システム選定で何を確認すべきかまで順に見ていきましょう。

目次
  1. 物流の2026年問題とは?2024年問題との違い
  2. 物流の2026年問題の対象者と義務を役割別に確認
    1. すべての荷主・物流事業者に求められる努力義務
    2. 特定荷主・特定連鎖化事業者は9万トン以上が目安
    3. 特定貨物自動車運送事業者等は150台以上、特定倉庫業者は70万トン以上
  3. 2026年8月時点の対応期限と罰則
    1. 未対応時の行政措置・罰則を確認
  4. 物流の2026年問題が現場と経営に与える4つの影響
  5. 今すぐ取り組むべき7項目チェックリスト
  6. 物流DXで対応を進めるシステム選定の3つの確認点
    1. 法定指標を記録・集計・出力できるか
    2. 受注・配車・運行・請求のデータをつなげられるか
    3. 現場が入力しやすく既存のExcel・会計と連携できるか
  7. 運送会社の業務基盤をコムトラックシステムで整える
  8. 物流の2026年問題に関するよくある質問
    1. Q1. 中小の運送会社も物流の2026年問題への対応が必要ですか?
    2. Q2. 物流の2024年問題と2026年問題の違いは何ですか?
    3. Q3. 2026年8月時点で次に迫る期限はいつですか?
    4. Q4. システムを導入すれば物流効率化法へ対応できますか?
  9. まとめ|対象と期限を確認し、物流データの整備から始めよう

物流の2026年問題とは?2024年問題との違い

物流の2026年問題とは、改正された「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化法)」が2026年4月に全面施行され、一定規模以上の事業者へ計画・報告などの義務が加わったことに伴う実務上の課題を指す通称です。法律上の正式名称ではありません。荷主を含むサプライチェーン全体に物流効率化を促し、荷待ち・荷役等時間の短縮や積載効率の向上を継続的に進める仕組みが中心です。制度の全体像は、国土交通省の物流効率化法についてで確認できます。

それに対して、物流の2024年問題は、トラックドライバーの時間外労働に年960時間の上限が適用されたことで、輸送力不足や収入減などが懸念された問題です。2024年問題と2026年問題は置き換わる関係ではなく、労務管理と物流効率化の両方へ対応する必要があります。

比較軸物流の2024年問題物流の2026年問題
主な制度自動車運転業務への時間外労働上限規制改正物流効率化法の全面施行
中心となる課題労働時間の適正化と輸送力不足への対応荷待ち・荷役等時間の短縮、積載効率の向上、計画・報告体制の整備
主な関係者運送会社、ドライバー、荷主荷主、連鎖化事業者、トラック・鉄道・港湾・航空・倉庫の物流事業者
対応の軸勤怠、運行計画、取引条件部門横断の責任体制、指標、物流データ、継続改善
関係2024年問題が終わって2026年問題へ置き換わったのではなく、両方への対応が必要

表1:物流の2024年問題と2026年問題の違い

2024年問題への対策で配送回数を見直していても、荷待ち時間を測定できない、運行実績が紙に残る、部署ごとに重量データが分かれている状態では、2026年問題への継続的な対応が難しくなります。労務管理に加え、荷主との取引・現場作業・経営指標をつなぐことが次の焦点です。

物流の2026年問題の対象者と義務を役割別に確認

対象と義務は「荷主か物流事業者か」「一定規模以上か」で異なります。最初に、自社の役割と前年度の取扱貨物重量、保有車両数などを整理してください。

荷主・連鎖化事業者・運送事業者・倉庫事業者を対象基準と義務で分けた図

図1:物流の2026年問題における役割別の対象区分

すべての荷主・物流事業者に求められる努力義務

2025年4月1日から、荷主・連鎖化事業者と物流事業者には、物流効率化に向けた措置を講じる努力義務が課されています。特定事業者の規模基準に届かなくても、取り組みをしなくてよいという意味ではありません。

荷主側では、トラック予約受付システムや出荷・受入時間の調整による荷待ち時間の短縮、パレット等の活用による荷役等時間の短縮、共同輸配送やリードタイム確保などが例示されています。物流事業者側でも、積載率の向上、輸送網の集約、配車計画の最適化、到着時刻の調整などが求められます。具体例は国土交通省の判断基準・解説書で確認できます。

また、荷主への規制では、第一種荷主と第二種荷主の考え方があります。一般に、第一種荷主は自らの事業に関する貨物を継続して運送事業者へ引き渡す者、第二種荷主は運送契約は結ばないものの、貨物を受け取る日時・場所を指示できる者です。商流上の呼び名だけで判断せず、契約と指示の実態を確認しましょう。

特定荷主・特定連鎖化事業者は9万トン以上が目安

前年度に運送を行わせた貨物の合計重量が9万トン以上の荷主は「特定荷主」、フランチャイズチェーン本部などのうち同重量が9万トン以上の者は「特定連鎖化事業者」の指定対象です。荷主の取扱貨物重量は、原則として同一法人単位で合算して判定します。

指定された特定荷主・特定連鎖化事業者には、主に次の対応が必要です。

  • 物流統括管理者(CLO)を選任し、経営レベルの責任体制を整える
  • 物流効率化に向けた中長期計画を作成して提出する
  • 荷待ち・荷役等時間や積載効率などについて定期報告する
  • 計画と実績を基に、社内関係部門や物流事業者と改善を続ける

2026年度の指定に必要な届出期限は2026年5月末でした。国土交通省は2026年7月31日に特定事業者の指定状況を公表しています。届出対象で未対応の可能性がある場合は、自己判断で先送りせず、所管官庁へ確認してください。

特定貨物自動車運送事業者等は150台以上、特定倉庫業者は70万トン以上

物流事業者側にも規模基準があります。トラック運送事業者は保有車両数150台以上、倉庫事業者は前年度の貨物保管量70万トン以上が、特定事業者として指定される基準です。鉄道、港湾運送、航空運送にもそれぞれ基準があります。

物流事業者側の判定や義務は、事業区分によって数え方が異なります。複数事業を営む場合は、単純な会社全体の人数や売上高ではなく、法令で定める指標と集計範囲を確認してください。国土交通省の特定事業者の指定基準に基準と届出様式が掲載されています。

2026年8月時点の対応期限と罰則

2026年8月時点では、2026年度の指定届出期限はすでに過ぎています。指定された特定事業者にとって次の大きな期限は、原則として2026年10月末の初年度中長期計画です。その後、初回の定期報告は2027年7月末が予定されています。

2025年4月の努力義務開始から2027年7月の初回定期報告までを示すタイムライン

図2:2026年8月時点で確認する物流効率化法の対応期限

時期・期限主な対応2026年8月時点の確認
2025年4月1日すべての荷主・物流事業者等の努力義務が開始現在の取り組みと指標を点検
2026年4月1日特定事業者への計画・報告等の規制が施行対象区分と社内責任者を確認
2026年5月末指定に関する届出対象なのに未届出でないか確認
2026年10月末初年度の中長期計画を提出指定事業者は計画策定を進める
2027年7月末初回の定期報告必要データの記録・集計を継続

表2:物流効率化法の主な施行日と期限

中長期計画には、事業者判断基準を踏まえた取り組み、実施時期、目標などを記載します。提出様式と作成例は中長期計画のページ、定期報告で求められる内容は定期報告のページで確認してください。

未対応時の行政措置・罰則を確認

物流効率化の取り組みが著しく不十分と判断されると、国は指導・助言を行い、必要に応じて勧告、公表、命令へ進むことがあります。命令に違反した場合には罰則の対象となります。

法令上は、指定に関する届出、中長期計画、定期報告、報告徴収・立入検査などの未対応や虚偽に対して50万円以下の罰金、物流統括管理者の選任・解任届の未提出や虚偽に対して20万円以下の過料が定められています。また、命令違反や、特定荷主・特定連鎖化事業者が物流統括管理者を選任しない場合は100万円以下の罰金の対象です。詳細は国土交通省の勧告・命令等報告徴収・立入検査を確認してください。

罰則を避けることだけを目的にすると、報告前にデータをかき集める運用になりがちです。対象判定、責任者、データの取得方法、改善会議、報告作成までを一つの運用として設計することが重要です。

物流の2026年問題が現場と経営に与える4つの影響

物流の2026年問題は、法務・総務だけで完結する対応ではありません。出荷、入荷、配車、運行、請求、経営管理まで影響します。

  1. 荷待ち・荷役の実態把握が必要になる:到着・受付・作業開始・作業終了・出発などを記録し、どこで時間が発生しているかを把握する必要があります。
  2. 荷主と物流事業者の調整が増える:予約枠、納品条件、附帯作業、リードタイム、運賃・料金などを一方だけでは決められません。
  3. 物流コストの説明力が問われる:便数、積載率、待機、実費、傭車費などを案件単位で追えなければ、改善効果や価格改定の根拠を示しにくくなります。
  4. 部門横断の意思決定が必要になる:営業が受注条件を決め、現場が作業し、物流部門が運び、経理が請求するため、経営層を含む共通指標が必要です。
影響荷主側の変化運送会社側の変化最初の一手
時間出荷・入荷枠と作業条件を見直す到着から出発までを記録する1拠点・1便から時刻を測る
取引納品条件やリードタイムを調整する待機・附帯作業の実態を共有する契約と現場実態の差を洗い出す
収益物流費とサービス水準を比較する案件・車両・荷主別の収支を把握する受注IDで実績と請求をひも付ける
経営営業・調達・物流の目標をそろえる配車・運行・経理の情報をそろえる責任者と月次指標を決める

表3:物流の2026年問題が荷主と運送会社に与える影響

影響を小さくするには、記録項目を増やすだけでなく、記録したデータを配車変更や荷主との改善協議に使う仕組みが必要です。運送会社の業務全体を整理したい方は、運送業システムの機能と選び方も参考にしてください。

今すぐ取り組むべき7項目チェックリスト

2026年8月時点で、次の7項目を順に確認しましょう。特定事業者に該当しない会社も、努力義務への対応と取引先との協議に活用できます。

対象判定から定例改善まで物流の2026年問題への7つの対応項目を並べた図

図3:物流の2026年問題に今すぐ取り組む7項目

チェックリストは、担当者名、期限、証跡、進捗を加えて管理すると実行しやすくなります。特に「測定する時刻の定義」と「誰がどの端末で入力するか」を決めないと、拠点ごとに数字の意味が変わるため注意してください。

物流DXで対応を進めるシステム選定の3つの確認点

制度対応のためだけに新しい入力表を増やすと、現場の負担が大きくなります。日常業務で入力した受注・配車・運行実績を、集計や改善へ再利用できるかがシステム選定のポイントです。

法定指標、業務データ連携、現場入力と既存システム連携の3要件を示す図

図4:物流の2026年問題に向けたシステム選定の3要件

法定指標を記録・集計・出力できるか

まず、必要な指標をどの粒度で保持できるかを確認します。法定様式を出力できるという説明だけでなく、元データの取得方法まで確かめてください。

  • 荷待ち時間と荷役等時間の開始・終了時刻を区別できるか
  • 重量・容積・パレット数など、積載効率の算定に必要な項目を保持できるか
  • 荷主、拠点、便、車両、受注単位で集計できるか
  • 欠損や修正履歴を確認できるか
  • CSV等で抽出し、提出前に検算できるか

法令上必要な値をシステムが自動的に保証するわけではありません。定義、計測方法、対象範囲、集計ロジックを決め、実データで結果を照合しましょう。

受注・配車・運行・請求のデータをつなげられるか

受注時の納品条件、配車した車両、実際の到着・出発、追加料金、請求結果が別々では、改善効果と収益への影響を追えません。共通の受注番号や運行番号で情報をつなぎ、一度の入力を後工程で再利用できるかを確認します。

荷主の受注情報から配車、運行実績、請求、経営分析へデータがつながる流れ

図5:受注・配車・運行・請求をつなぐデータフロー

例えば、荷待ちを減らしても傭車費や高速代が増えていれば、施策全体の評価は変わります。受注から請求・分析までをつなぐと、時間短縮と採算を同じ案件で比較できます。TMSの管理範囲から整理したい方は、TMSとは?機能・種類・選び方をご覧ください。

現場が入力しやすく既存のExcel・会計と連携できるか

必要な機能があっても、入力が複雑で記録されなければデータは蓄積しません。配車担当者のPC、ドライバーのスマートフォン、荷役現場など、入力者と利用場面を分けて操作性を確認してください。

既存のExcelや会計ソフトを残す場合は、インポート・エクスポートの形式、更新方向、重複時の扱い、エラーの戻し方まで決めます。最初から全業務を置き換えず、荷主・拠点・業務を限定した試行から始め、二重入力が本当に減るかを測る方法も有効です。

確認場面実データで試す内容評価指標
受注通常便、スポット便、変更・取消を登録入力時間、必須項目、修正回数
配車・指示車両変更とドライバーへの共有反映時間、確認状況、転記回数
実績到着・作業・出発時刻と実費を登録欠損率、入力負担、時刻の精度
請求・分析実績を請求・荷主別収支へ反映差額、集計時間、追跡可能性

表4:物流システムを実データで確認する観点

運送会社の業務基盤をコムトラックシステムで整える

コムトラックシステムの受注データ登録画面
図6:コムトラックシステムの受注データ登録画面
コムトラックシステムの配車表作成画面
図7:コムトラックシステムの配車表作成画面
コムトラックシステムの売上分析画面
図8:コムトラックシステムの売上分析画面

当社が提供するコムトラックシステムは、受注、配車、スマートフォンへの配送指示、運行記録、請求書、支払明細、売上分析などを一元管理できる運送業向けクラウドシステムです。受注情報を配車や請求へ利用できるため、部署間の転記を減らし、案件データを後工程へつなげられます。

初期費用は0円で、1か月の無料体験をご用意しています。2026年8月時点の月額料金は、プランにより11,000円、33,000円、52,800円(いずれも税込)です。利用人数による従量課金や契約期間の縛りはありません。詳細と最新条件はコムトラックシステム公式サイトでご確認ください。

ただし、システムを導入するだけで物流効率化法への対応が完了するわけではありません。自社が必要とする荷待ち・荷役等時間、重量、積載効率などの取得方法と、法定様式への集計方法は事前確認が必要です。無料体験では、代表案件を使い、標準機能、インポート・エクスポート等のオプション、Excelを残す範囲を切り分けてください。

導入後の活用イメージは、受注から配車・運行・請求までを段階的に整備した株式会社SHUUEI様の導入事例も参考になります。

物流の2026年問題に関するよくある質問

Q1. 中小の運送会社も物流の2026年問題への対応が必要ですか?

必要です。保有車両150台未満で特定貨物自動車運送事業者等の指定基準に届かなくても、物流効率化に向けた措置は努力義務です。また、特定荷主から時間・重量などのデータ共有や改善協議を求められる可能性があります。まず、荷待ち・荷役等時間、積載状況、取引条件の実態を把握してください。

Q2. 物流の2024年問題と2026年問題の違いは何ですか?

2024年問題は、ドライバーの時間外労働上限規制による輸送力や働き方への影響が中心です。2026年問題は、改正物流効率化法の全面施行により、荷主を含む関係者が物流効率化を進め、一定規模以上の事業者が計画・報告体制を整える課題を指します。どちらか一方ではなく、労務と物流効率化を同時に進めます。

Q3. 2026年8月時点で次に迫る期限はいつですか?

指定された特定事業者の初年度中長期計画は、原則として2026年10月末が期限です。初回の定期報告は2027年7月末です。特定荷主・特定連鎖化事業者は、物流統括管理者の選任と届出状況も確認してください。最新情報は国土交通省の改正物流効率化法ポータルサイトで確認できます。

Q4. システムを導入すれば物流効率化法へ対応できますか?

システムは記録・集計・共有を支援しますが、導入だけで法令対応が完了するわけではありません。対象判定、CLOを含む責任体制、中長期計画、改善施策、荷主・物流事業者との協議も必要です。必要な指標を実際に取得・検算できるかを確認し、法的判断は所管官庁や専門家へ相談してください。

まとめ|対象と期限を確認し、物流データの整備から始めよう

物流の2026年問題では、すべての荷主・物流事業者等に物流効率化への努力が求められ、一定規模以上の特定事業者には中長期計画や定期報告などが義務付けられています。2026年8月時点では、届出状況を確認するとともに、指定事業者は10月末の初年度中長期計画に向けて準備を進める段階です。

最初に自社の役割と規模を判定し、責任者、期限、荷待ち・荷役等時間、積載効率、受注から請求までのデータを棚卸ししてください。小さな範囲で計測と改善を始め、月次で見直せる状態をつくることが、制度対応と収益改善の両立につながります。

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